知覚について
普段の生活であまり感じないことですが、視力・聴覚・嗅覚・味覚・触覚について話がおよんだことがありました。
それは、新型コロナウィルス感染症の後遺症で、嗅覚や味覚がこれまでと違ってしまうことからです。
嫌な臭いや良い匂いを感じない感覚、まずいや美味しいを感じない感覚は、新型コロナウィルス感染症の後遺症だけでおこるものでもなく、これまでも、誰もが、風邪で鼻づまりの時や高熱で寝込んでいる時などでも経験をしたこともあると思います。私も経験がある嗅覚・味覚に障がいが出た時の感覚は、限られた時間でしたが、あまりよいものではなかったと思います。
視覚や聴覚に障がいがあれば、周囲が見えない・音が聞こえない感覚も疑似体験をするだけでもとても大変だと感じます。
そのようなことを思いながら、私の視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚ははたして普通なんだろうかと振り返ってみると、私の視力は強度の近視でメガネで矯正していますし、聴覚は先日の健康診断で高音が聞こえにくいようで精密検査をするように言われています。嗅覚だってそれほど確かな(鼻がきく)ものでないし、味覚も味が濃いものが好きで、繊細な味覚を感じているか疑問です。触覚も年と共に感じにくくなっているようにも思います。
これまで、私は、光が届かずなにも見えない世界や音が無い世界、無臭の世界、味覚を感じない世界、触覚を感じない世界が、知覚障がいと捉えて、生活する上で不便であると思っていました。しかし、私自身の見たり、聞いたり、嗅いだり、味わったり、手や身体で感じたりしている感覚も、私だけの感覚で他者と同じではないことに思いいたりました。
また、私が知覚障がいと捉えている感覚は、ひっとすると法性(ほっしょう)の世界なのかもわからないと考え直しています。