焼香

焼香
「焼香」と聞くと何を思い浮かべますか。
一般的には、仏式の葬儀式でお別れする時の作法を思います。葬儀の時の「焼香」は、「導師焼香」のアナウンスの後、僧侶が「焼香」し、その後、喪主の方から「焼香」が続いていきます。葬儀以外でも年忌法要で僧侶がお勤めしている時に、本(尊)前で「焼香」する時は、亡くなられた方のことを偲びながらの作法とも感じます。

岩波の国語辞典では、【焼香】「香をたくこと。特に、仏前・霊前で香をたいて拝むこと」とあるので、仏式のお参りの作法として「焼香(香をたく)」されているのでしょう。

僧侶である私は、「焼香」と聞くと、仏様を荘厳する作法として本堂やお仏壇でお勤めする最初に「香」を薫じて合掌礼拝をして、お勤めを始めます。

これは、『浄土真宗辞典』に「香を焚いて荘厳すること。『無量寿経』には「華を散じ香を焼きて、これをもって回向して(散華焼香以此回向)」と説かれている。恭敬礼拝の意味で行う」とあるように仏様への恭敬礼拝の作法として、献華・献灯の後の献香の意味の「焼香」ではないでしょうか。

私(住職)は香に満たされた空間は、心地よいと感じますが、香りに敏感な方の中にはその人に合わない香りの場合もありますので、これからは無香性の香も考えなければいけないかもわかりませんね。