教学院研究発表会

教学院研究発表大会
昨年は、聴講できませんでしたが、今年は聴講できました。
最初に、ご法主殿の挨拶で、高田派の僧侶が研鑽したことを発表できるのが、4月の興学布教大会と9月の法話大会と10月の教学院研究発表会の年3度の機会があります。江戸時代に「学山高田」と言われたように、更に高田派僧侶が研鑽できることを希望するとの挨拶でした。今回の4名の発表で、新しい刺激をいただきました。最初の発表は、報恩講の非時(ひじ)のことです。私のお寺でもそうですが、非時をご奉仕するにはとても多くの方のお力を借りなければできません。しかし、お寺を支えていただく方々も、高齢化の問題もあり、これまで通りのことをするのは難しい時代です。発表では、鈴鹿市の高田派寺院90ヶ寺で25年前に報恩講で非時をされていた寺院は、13ヶ寺で、25年後の今年は2ヶ寺になったそうです。いろいろな事情があることは承知していますがとても驚いています。2番目の発表では、日本に住んでいる外国人との多文化共生についてです。宗教的側面で考えると、外国人の宗教観と日本人の宗教観はまったく違うことを念頭に置かなければいけないこと。文化・言語が違うことを一面的に捉えるのではなく、一人の人間と人間との関係性をつくる努力が必要なように感じました。3番目は、親鸞聖人の「正定聚」についての発表でした。「証文類」に引用された経文から、先行研究を整理し、紹介され、文脈からの再検討を試み、発表者の立場を紹介されました。とても大きな課題についての発表ですので、私(住職)には難しい内容ですが、新たな着眼点に気づくこともできました。4番目は、専修寺所蔵の「見聞集」についての紹介でした。影印にて公開されていますが、原本は文化財の修理が終わり専修寺に戻ってくるそうです。書誌学的な紹介や内容についての紹介で興味深い内容でした。久しぶりに充実した時間を過ごすことができました。

※中川個人の感想です。