妙華寺会館
境内に戦後、三重県食糧事務所の一志支部として使用していた建物が昭和40年代前半に移転したことで、前々住職・前住職が改修し「妙華寺会館」として使用しています。
「和顔愛語」の額は、以前、庫裡の書院に掛かっていましたが、改修された妙華寺会館に掲げることになりました。(専修寺第23世)堯祺上人が書かれた額です。
「和顔愛語(わげんあいご)」
仏頂面はいけませんよ
和顔愛語は、「和顔」はやわらかな顔、「愛語」はやさしい言葉。
つまり、文字通り、笑顔で愛情のこもった言葉で話すことです。
この言葉は、学校での教訓になったり、額や書幅しょふくにも書かれたりして、おなじみになりました。この言葉は『無量寿経(むりょうじゅきょう)』に出てくる言葉です。法蔵菩薩(ほうぞうぼさつ)が阿弥陀仏(あみだぶつ)になるために修行に励んでいるところで、「和顔愛語にして、意を先にして承問(じょうもんす)」とあります。現代語版では「表情はやわらかく、言葉はやさしく、相手のこころを汲み取ってよく受け入れ」と訳されています。親鸞聖人(しんらんしょうにん)はこの経文(きょうもん)を、『教行信証(きょうぎょうしんしょう)』にも『浄土文類聚鈔(じょうどもんるいじゅしょう)』にも引用しておられます。お金や物がなくても誰にでもできるほどこしである 「無財(むざい)の七施(しちせ)」には、「やさしい言葉で相手に接するほどこし」や、「善意に満ちた和やかな顔と明るい姿で相手に接するほどこし」があります。人間関係にはたいへん大切な態度ですが、心に余裕がなければなかなかできるものではありません。現代のような殺伐とした世の中では、なおさらですね。しかし、そんな世の中だからこそ、教えにあるように、相手のこころを汲み取ってよく受け入れ、「和顔愛語」を忘れないようにしたいものですね。
本願寺出版社「くらしの仏教語豆事典」より転載」((https://www.hongwanji.or.jp/mioshie/words/000916.html
参照 2025年10月11日))
