今年は、毎月10日に法苑院妙華寺を紹介していきたいと思います。
一光三尊仏(阿弥陀三尊)立像
中尊 阿弥陀如来立像 木像 玉眼・寄木・金泥 像髙 39.7cm 江戸時代
脇侍 観音菩薩 木像 玉眼・寄木・金泥 像髙 28.9cm 江戸時代
脇侍 勢至菩薩 木像 玉眼・寄木・金泥 像髙 28.4cm 江戸時代
像と一具の厨子に安置される一光三尊仏で、通常は妙華寺の宝庫に保管されている。(現在 妙華寺会館に安置)中尊の頭部形状、脇侍の五角形の宝冠や裳(ころも)の形状等、高田山式の一光三尊仏の特徴を顕著にあらわしている。また、両手足の指の爪をあらわすなど、細部にまで行き届いた丁寧な表現をみせている。像や厨子等に年号や作者等を示す銘文はまったく見当たらないが、作風から判断して18世紀末から19世紀の初め頃に制作された像と考えられる。
【親鸞 高田本山専修寺の至宝の図録解説より】
※奈良国立博物館で8月26日まで『糸のみほとけ』展が開催されています。
展覧会のHPには、「日本では刺繡(ししゅう)や綴織(つづれおり)など「糸」で表された仏の像が数多く作られました。とりわけ、古代では大寺院の一堂の本尊とされる花形的存在でした。綴織當麻曼荼羅(つづれおりたいままんだら)(国宝、奈良・當麻寺蔵)や刺繡釈迦如来説法図(ししゅうしゃかにょらいせっぽうず)(国宝、奈良国立博物館蔵)は、その隆盛のさまを伝える至宝です。また、糸を縫い、織る行為は故人の追善につながり、聖徳太子が往生した世界を刺繡で表した天寿国繡帳(てんじゅこくしゅうちょう)(国宝、奈良・中宮寺蔵)が生み出されました。鎌倉時代以降、刺繡の仏は再び隆盛を迎えますが、その背景には綴織當麻曼荼羅を織ったとされる中将姫に対する信仰がありました。極楽往生を願う人々は中将姫(ちゅうじょうひめ)に自身を重ね刺繡によって阿弥陀三尊来迎図(あみださんぞんらいごうず)や種子阿弥陀三尊図(しゅじあみださんぞんず)を作成しました。
この展覧会は綴織當麻曼荼羅の修理完成を記念し、綴織と刺繡による仏の像を一堂に集める特別展です。天寿国繡帳、綴織當麻曼荼羅、刺繡釈迦如来説法図の国宝3点が一堂に会する空前の企画です。本展を通して絵画とも違う「糸」の仏の世界の魅力をご鑑賞いただければ幸いです」とあります。
木像とは違う、三尊仏も出展されています。ご興味のある方はお運びください。