お寺とは⑥
これまで、お寺から伝えることを中心に考えていましたが、生活者の「お寺とは」は何でしょうか。
以前のブログでも書きましたが、もっとも大きなことは、ご家族に不幸があった時の弔い(葬儀)の依頼でしょうか。そこから始まるお寺との付き合いをどう感じるか。今は、お寺に頼らなくても弔いは可能ですのでその場合は、お寺の「伝える」ことの選択肢はありません。葬式をしてお骨を埋葬するだけで「良しとする」考え方も多くなりました。
私たちの思考も変化しています。目先のやるべきことが多すぎて「私が何者か」なんて考えることには関心が及ばないのでしょう。
お寺との付き合いは、遺族の意向で決まりますので、遺族がどれだけ宗教に関心があるかで違ってきます。これまでのようなお寺の伝え方がよいのかを含めて再考しないといけません。
生活者に「お寺」の価値が見出されないのであれば、生活者に見出される「お寺」の価値を打ち出していくことも考えられます。でもそれがどのようなものか、多様性を重んじる今の時代で、それぞれのお寺や住職が工夫しているのですが、生活者の求める「お寺」」の価値観にはあてはまらないのでしょうね。
お寺と生活者の付き合い(関係性)は、これまでより薄く、淡泊になるのだと誰もが感じています。