『宗教の本質』釋徹宗×若松英輔 講談社現代新書

『宗教の本質』釋徹宗×若松英輔 講談社現代新書
歳をとると、集中して本を読むことがおっくうになっていましたが、久しぶりに最後まで読み続けることができました。往復書簡は、対談のようなやりとりでなく、書簡が届くまでの時間が、言葉に深みをもたらすように私(住職)には、感じます。
宗教について知識は必要ですが、それだけで宗教を語るのは違うのだと改めて感じました。自身の宗教との関わり(回心)がなければ、本当の宗教と出遇うことはないと思います。大切な人を亡くした悲しみから自分自身がどう変化していくのか。「生きる」意義を見いだせない私がどう変わっていくか。宗教の深い思考に触れていく自分(住職)がとても心地よく感じる状態です。「信じる」ことの中に「信(まか)せる」意味があることや、共同体と集合体のこと・「死者」を想うことを知っただけでもありがたかったです。
3年半の往復書簡が終わってからの対談も掲載されていて、両者の信頼に基づく関係性がすてきだと感じています。
両者の深い思考内容についていけない私(住職)ですが、再読したくなる本に巡り会えてとてもうれしく感じています。
※中川個人の感想です。