「ことばの向こうがわ」

「ことばの向こうがわ」安部智海著 法蔵館
今から13年前の東日本大震災の被災者に寄り添い話を聞く2011年から2016年までの仮設住宅居室訪問活動の記録です。
7年前に出版されてから、今回ご縁をいただいて、拝読する機会を得ました。
阪神淡路大震災の時もそうでしたが東日本大震災のTV中継(映像)には、とても衝撃をうけました。遠く離れた場所に住んでいる私(住職)でも胸を締め付けられる思いが、今も込み上げてきます。被災された方々も誰1人同じではない想いを聞き取ること、時間の経過の中で変化する想いを拝読しながら、このそれぞれの想いをどのように捉えていけばよいのか、とまどうばかりです。被災者のいろんな感情(死にたい気持ちや自分を責める気持ち)に気づかせられながら、それでも生きていくこととの意味は何か。発せられたことばの想いは何か。人間の根源的な意味を問われているようです。

私たちの住んでいる地域も東南海地震で被害が発生する可能性があり、地震対策に備えていますが、実際被災した場合の、人々の想いまでは考えることがありませんでした。その時の私の想いはどうなるのか、気になるところです。

妙華寺では、この本を何冊か必要な方へお渡しすることができます。関心がありましたらご連絡ください。