「お寺の講演会」ご講師 浦上哲也師から 4

3ヶ月後の5月18日の親友婦人会総会後の「お寺の講演会」のご講師をお願いしています横浜市の「なごみ庵」のご住職 浦上哲也(うらかみてつや)師に「お寺の講演会」の半年前の11月から月一度のペースでご寄稿をお願いし快く受けて頂きました。その一回目を掲載します。
浦上さんは、僧侶ですがお寺の本堂から飛び出して、多彩な活動をされています。
平成27年の親友婦人会総会の日には、希望者に「死の体験旅行」と言うワークショップを受講していただきました。私(住職)も受講して、死に向かっていく自分の感情や取捨選択を受講した者同士が共有しながら、今生きていることの不思議を感じたことでした。
「死の体験旅行」と言うワークショップを全国で開催されたり、「自死・自殺に向き合う僧侶の会」の共同代表や、「仏教死生観研究会」を立ち上げられたり、お坊さんが回答する「hasunoha」の回答僧のお一人であり、「まちのお寺の学校」の講師であったり、最近は「方丈社」マガジンに連載が始まりました。また妙華寺も賛同する「おてらおやつクラブ」に参加する寺院の住職でもあります。そのような多くの顔を持つ浦上さんの今感じることを月一度、妙華寺のHPにも掲載して5月18日の講演を楽しみに待ちたいと思っています。

浦上さんの掲載文で、何か感想などございましたら、お寺にお知らせください。

 

◇ 七回忌 ◇
 1月の末、長崎は島原まで行ってまいりました。50歳の若さで亡くなった先輩僧侶の七回忌法要です。とても慕われていた方で、全国の僧侶7名でお参りに伺いました。
 2日間の法要にはご家族や檀信徒さんたちがお集まりになり、伝道を大切にしていた先輩を偲び、7名の僧侶全員が20分ずつリレー法話をさせていただいたのです。

 話は少し遡りますが、2012年12月の報恩講は、なごみ庵のご本尊の入仏法要を兼ねた大切なご縁でした。この時にご法話をいただいたのが、この先輩僧侶でした。余命を宣告されている状態で治療のために上京していたので、急遽お願いをしたのです。
 「皆さま、長崎からまいりました○○と申します。皆さんとお会いできるのは、今生でこれが最期になると思います」と口を開くと、状況をご存知ない皆さんは一瞬きょとんとされます。続けてご本人の口から事情が説明されると、その場は緊張感に包まれました。

 日本はまだまだ遅れていますが、世界各国の病院では宗教者が、患者の苦悩に耳を傾けるために職員として出入りしています。先輩僧侶は日本での先駆者として、ご自身もがんに蝕まれながら、九州の病院で中学2年生の女性がん患者を担当することになりました。
 何度も訪問を重ね、そして最期の面会の際、彼女から「○○さん、先に往ってるね」と声を掛けられたことを声を震わせながらお話しになり、お堂にはすすり泣きの声が静かに響きました。

 先輩は最後、こう私たちに問いかけてくださいました。大切な問いであると思います。皆さんも一緒にお考えになっていただければ、有り難く存じます。
 「自分がどこから来て、どこに還っていくのか。何者であるのか、何のために生きているのか、何を大事に生きているのだろうか。そういったことを半年に1回、いえ、年に1回でも結構です。1人になって、自分自身に問いかけてみてください」