「お寺の講演会」ご講師 浦上哲也師から 3

今回、今年5月18日の親友婦人会総会後の「お寺の講演会」のご講師をお願いしています横浜市の「なごみ庵」のご住職 浦上哲也(うらかみてつや)師に「お寺の講演会」の半年前の11月から月一度のペースでご寄稿をお願いし快く受けて頂きました。その3回目を掲載します。
浦上さんは、僧侶ですがお寺の本堂から飛び出して、多彩な活動をされています。
平成27年の親友婦人会総会の日には、希望者に「死の体験旅行」と言うワークショップを受講していただきました。私(住職)も受講して、死に向かっていく自分の感情や取捨選択を受講した者同士が共有しながら、今生きていることの不思議を感じたことでした。
「死の体験旅行」と言うワークショップを全国で開催されたり、「自死・自殺に向き合う僧侶の会」の共同代表や、「仏教死生観研究会」を立ち上げられたり、お坊さんが回答する「hasunoha」の回答僧のお一人であり、「まちのお寺の学校」の講師であったり、最近は「方丈社」マガジンに連載が始まりました。また妙華寺も賛同する「おてらおやつクラブ」に参加する寺院の住職でもあります。そのような多くの顔を持つ浦上さんの今感じることを月一度、妙華寺のHPにも掲載して5月18日の講演を楽しみに待ちたいと思っています。

浦上さんの掲載文で、何か感想などございましたら、お寺にお知らせください。

 

◇ 聖なる歌 ◇

 昨年12月23日、代官山ノエルというクリスマスイベントに協力をしてきました…と書くと私が宗旨替えをしたかと驚かれるかもしれませんが(笑)、もちろんそうではありません。超宗派の仲間の僧侶と共に、プロテスタントの本多記念教会を中心とした行事に参加をしたのです。

 まずは「牧師さん&お坊さんと話そう」というコーナー。普段なかなか接する機会のない僧侶や、それ以上に見かける機会の少ない牧師さんと話ができるというもの。雑談だったり、質問だったり、真剣な悩みだったり、色々な方がいらっしゃいます。私も、これからの進路に悩む青年の言葉に耳を傾けさせていただきました。
 そして楽しみだったのは、無数のキャンドルでライトアップされた教会での声明公演。声明(しょうみょう)とは歌のようなお経のことで、幻想的な雰囲気の中、僧侶5名による誦経の声が響き渡りました。

 イベントの最後は、屋外でのゴスペル&読経の公演。寒い中ですがライトアップされた広場に、多くの人だかりの輪が広がります。そこでまず、僧侶たちによる声明で厳粛な雰囲気が作り出され、続く地元高校のブラスバンド演奏で徐々に場は盛り上がっていきます。そして大人数のゴスペル隊が登場し、「Oh happy day」など耳にしたことがある曲を、体を揺らし、手拍子と共に歌います。僧侶たちも思わずノって手拍子を叩きながら、私は『天使にラブソングを』という映画が好きだったことを思い出しました。

 教会であってもお寺であっても、そこは厳粛な宗教的空間です。しかし厳粛なだけではなく、時には楽しみを共有する機会も大切なのだな…と、2つの聖なる歌が響く夜空の下、ヒントを頂けたような気持ちになりました。