声明(しょうみょう)公演in国立劇場

声明(しょうみょう)
声明(しょうみょう)とは、仏教儀式において僧侶が唱える声楽を指すそうです。(浄土真宗の声明真宗高田派本山専修寺の「報恩講式」 独立行政法人日本芸術文化振興会発行より)真宗の私達の一番大切にしています行事の報恩講(お七夜)でのお勤の「式文」拝読も語り物として後世の浄瑠璃音楽の祖型をなすもののようです。平素はお勤めとしか思っていないものを声明公演として、妙華寺の関東のお同行様にお声をかけさせていただき、一緒に国立劇場で鑑賞する機会を得ました。
本堂でのお勤めでは、ご本尊(親鸞聖人)に向かっての讃嘆ですので後ろの大間(だいま)にいる私達は、ご法主殿の後姿を拝見しながらのお勤めですが、公演の舞台では、観客の方に向かっての「式文」拝読です。ご法主殿、出演される法中(ほっちゅう)様が観客に向かって着座されている姿を拝見できるのは、今回の公演の機会しかないと思いました。
舞台両脇の面に、お勤めされている文言が紹介されながらの聴聞も公演ならではのことです。本堂での報恩講(お七夜)では味わえない形で「報恩講式」を聴聞できる機会に恵まれましたことに感謝しています。
帰りのバスの車中で声明公演を鑑賞されました小田原のご高齢の方(高田派のご門徒様とは違います)は、昨年津市の専修寺にお参りされたり栃木県の本寺へも行かれたりと高田派にご興味を持たれて、「声明公演」で初めて「報恩講式」をお聞きされ「良かった」との声をいただきました。また西本願寺の寺族の方からは終わってから本願寺の「報恩講式」とは「読み方」が違うことを教えていただきました。


声明公演の始まる前の午前中は東京のお同行様に、6月にできた東京ミッドタウン日比谷を案内していただき、続いて創業150年の稲庭うどん店で昼食をいただいて東京の今昔も合わせて感じることができました。

台風21号にて

台風21号
9月4日、台風21号が四国に上陸しました。妙華寺のある三重県津市は少し離れていますが風雨が強いです。今回は日中に通過しましたので風雨が弱まった15時過ぎに境内を見回りました。木製の腰掛けが飛ばされていました。

裏門に通じる通路と墓地の間のトタン塀の1カ所と反対面のトタン塀の1カ所が飛ばされていました。

7月の台風12号の時も心配で、風を全面に受けるトタン塀から風を通す柵にしたほうがよいのか業者に見積もりを取っていました。

今回早速業者に連絡をし、早急にトタン塀から柵に変更することにします。完成までの期間に、裏門を通行される皆様にはご迷惑をおかけする場合もございますがよろしくお願い申し上げます。

現代と仏法を考える集い

現代と仏法を考える集い
もう22回(年)を迎える高田本山の教学院主催の「現代と仏法を考える集い」は、今回『寺院崩壊?パートⅢ』として「魅力ある寺院への再生」と題して、『寺院崩壊?』シリーズの最後となるようです。ご講師は、浄土真宗本願寺派の大阪の正福寺のご住職の末本弘然師でした。本願寺出版社に勤務され長年本願寺新聞で全国の(浄土真宗本願寺派)お寺を訪れたり、取材しながら、これからのお寺のあり方に危機感を持たれ、自坊で実践されています仏教に基づく地域コミュニティ「ナムのひろば」を立ち上げられたことを中心にお話されました。
私(住職)が一番感じたことは、住職としての「覚悟」でした。生活者にお寺が必要ないと思われれば寺院が崩壊(消滅)しても仕方がないという視点からの実践です。
ご講師ご自身が、「アミダ」様に救われているお一人であることをお寺のある地域の皆様にどのようにお伝えできるかの一つの方策として「ナムのひろば」を立ち上げられたことです。
そして「ナムのひろば」を立ち上げられるまでの長い時間(機が熟す)が大切だったように思いました。 お寺の行事は1年単位のリピート(繰り返し)行事であります。どこのお寺でもそうですが年々ご参加(聴聞)されるお同行様が少なくなっています。参加(聴聞)されます皆さんに飽きられない工夫や魅力を加えていかなければ、ご講師が仰られる寺院崩壊も現実であるように思います。また、お寺の住職は「アミダ」様の働きを讃嘆していく力をもっと磨いていかないといけないと仰せられたように感じました。
これまで3年(3回)の研修では、①現状のお寺の危機感を共有して、②これまでの危機感(真宗と習俗)を振り返って、③これからのお寺のあり方を考える研修でした。僧侶だけで考えるので無く、お同行様や生活者と共に考えることが大切と感じています。

(※中川個人の感想です)