龍樹の『十住毘婆沙論』の「易行品」
天親の『無量寿経優婆提舎願生偈』(浄土論あるいは、往生論と略する)
曇鸞の『無量寿経優婆提舎願生偈註』(往生論註あるいは、浄土論註、単に論註と略する)
と『讃阿弥陀仏偈』
道綽の『安楽集』
善導の『観無量寿経疏』 と『法事讃』と『観念法門』と『往生礼讃』と『般舟讃』
源信の『往生要集』
源空の『選択本願念仏集』
『親鸞読み解き事典』から
源信和尚(げんじんかしょう)
源信和尚(942~1017、76歳)は、不思議なお坊さまです。『往生要集(おうじょうようしゅう)』という大部な書物を著わされましたが、その書き出しは、地獄の話ではじまっています。
最も恐ろしい地獄を「無間地獄(むげんじごく)」といいます。五逆罪(ごぎゃくざい)や四重禁(しじゅうきん)を犯した者が落ちていく地獄です。五逆罪は家族同士の殺し合いの罪であり、四重禁とは、殺生(せっしょう)、偸盗(ちゅうとう)、邪淫(じゃいん)、妄語(もうご)です。殺し、盗み、淫(みだ)らな行為、うそいつわりです。この世で、こんな悪事を働いた者は、みんな無間地獄に落ちていきます。
頭を下に足を上に吊されて、真っ暗闇の地底へ一人で吸い込まれていきます。どん底には、大蛇が毒を吐き、炎を吹き上げています。落ちた瞬間、体は八つ裂きにされ、その繰り返しで1万年もの責め苦に遭(あ)うと話されています。
昔の子どもたちは、お寺や両親からこのような話をきいて育ちましたが、現在は仏さまの教えを聞く場がなくなって、自分が一番えらいとおだてられて育っていますから、地獄の恐ろしさを知りません。
昨今のニュースをみると、そのつけが来て、家族バラバラで家庭は崩壊していくし、殺生罪の最たる残酷料理がもてはやされ、盗みぐらいは罪とも思わず、みだらな話は日常茶飯事(にちじょうさはんじ)化し、妄語で堂々と歩く世相となりました。
源信和尚の説法は、まことです。親鸞聖人は、邪教が広まっている世をなげいて、是非手を合わせてお念仏が申せる世になってほしいと、源信和尚を高僧さまの1人に加えられたのでありました。
※「ひとくち法話」真宗高田派本山より
四季の花 11月になり暦の上では冬ですが、秋本番と感じています。毎年菊作りを楽しみにされていますお同行様から本堂の前に手塩にかけてお育ていただきました菊の鉢を運んでいただき、ご参詣の皆様の目を楽しまさせていただいています。本当に有難く思います。境内の樹木にも少しずつ色がつき始めています。毎年、銀杏の葉の色づきは11月下旬頃です。
東京のお同行様
毎年春秋のお彼岸の頃、先代ご夫婦の時から東京から妙華寺にお参りにこられますお同行様がいらっしゃいます。ご葬儀の時に東京へ伺うばかりでしたが、私(住職)の東京へ行く時間にご都合を合わせていただきお会いすることができました。今も下町の活気のある商店街にあるお父様の郵便局を初めて訪れることができました。たまたま前日NHKの「鶴瓶の家族に乾杯」の番組に紹介されました界隈でしたので、TVで見たお店なども実際見ることになりました。その後、私(住職)は初めてスカイツリーを間近に見る場所に案内していただきました。お同行様のおじいさまのご葬儀の時の8ミリの動画や戦後まもなくの東京の下町のお話しなど知らないことばかりでしたがとても思い出になる時間をお同行様と共に過ごすことができたことありがたがったです。
今回の東京行きは、お昼に井上広法師にお会いして来年のご講演の打ち合わせでした。ご多用の中でしたがスケジュールを確認できました。井上様か゛、僧侶の皆様と親睦の時間も取りたいとお申し出いただきましたのでお楽しみに。
高田短期大学の仏教教育研究センター主催の年2回あります公開講座の今年度最後の講座は、高田派の若き研究者の栗原直子先生の講座で「高田派教学の歴史」のお話しでした。「教学」と聞くと、真宗では親鸞聖人までの七祖と親鸞聖人のみ教えと考えてしまうのですが、親鸞聖人滅後のそれぞれの門徒グループ(教団)内で、大切にされてきたことも「教学」であることに改めて気づかせていただきました。高田派は、下野(栃木県)の高田を中心に親鸞聖人の面授の門弟であった真仏上人・顕智上人から始まる教団であり、親鸞聖人との交流の中で、親鸞聖人のご著書が多く残されています。真宗10派といわれますように、それぞれの教団の中で親鸞聖人のみ教えが大切に伝わり今につながっていることで、「教学」が教団の特徴として現れているように思います。高田派は「念仏高田」と言われていますが、高田派の中でこれまでの先達が「行をはなれたる信もなく 信をはなれたる行もなし」を大切に伝えてきたことが、「念仏高田」と言われるようになったのかと推測されていました。また江戸時代の宗学では、戒律についての研究も盛んであったようなことも聞き、そのことについてのお話しもお聴きしたいと思いました。
※中川個人の感想です。