今年の27組の報恩講

27組報恩講
今年も10月28日から27組の報恩講が戸木の満誓寺様から始まりました。昨年は10月下旬の台風の影響で雨でしたが今年はいつものように晴天で暑さも感じる1日でした。
私が組内の報恩講に出仕させていただいたのは20代の大学生の頃からですので40年以上になります。今のようなマニュアル本もない時でしたので、作法も何も分からないまま、諸先輩のご住職に教えていただいたり、まねたりして身につけていったことでした。それでも報恩講に遇わせていただくことは普段とは違うことで楽しみにしていた気持ちでした。

【満誓寺 本堂内陣】

11月10日新家(にのみ)の光蓮寺様の報恩講に2年ぶりに伺いました。前住職がご往生され坊守様も施設に入られて、普段ご住職がいらっしゃらないのでお同行の皆様がお寺をお守りされています。いつも拝見させていただいているのですが、内陣の脇壇の1つに木像の坐像が荘厳されています。高田の寺院の内陣の1つの脇壇には、高田派の歴代上人の絵像やそのお寺の歴代上人の絵像を荘厳されると聞いています。それも、繧繝縁(うんげんべり・うげんべり)の畳に荘厳されていますので大変高貴な僧侶とお見受けしました。高田派の歴代か光蓮寺様の初代か中興上人かと思われますがお同行の方にお聞きしても分からず残念でした。
(※後日、『久居の仏像』で調べましたがそこでも人物は不詳でした)

11月18日は、戸木の西向寺様の報恩講です。四季桜が満開で春を思わせています。11月の中旬ですがまだまたストーブが要らないような一日でした。光蓮寺様の荘厳のこともあって、出仕の前に西向寺様の本堂をお参りさせていただきました。西向寺様は高田派の中興上人の真慧上人の絵像が掛かっています。私(住職)は真慧上人の絵像はあまり拝見したことがありませんでしたのでとても有難かったです。毎年の報恩講で出仕させていただいているのですが、それぞれのお寺の荘厳をじっく拝見することもなくこれまでのことを残念に思い、これからはできるだけそのお寺の本堂にお参りさせていただくように心がけたいです。

【西向寺 本堂内陣】

11月23日は、小戸木の西林寺様の報恩講です。いっぺんに寒くなりマフラーを巻いて伺いました。毎年多くのお同行の方がお詣りいただいています。法中(ほっちゅう)のお勤めが終わりますと、お同行様が一緒に「文類偈」を声に出してお勤めすることも、お同行の方が、法中をお接待をされることは最近少なくなってきましたがまだ続いていることは素晴らしいことと思います。

【西林寺 本堂正面】

11月25日は、木造の蓮性寺様の報恩講です。待合の床には、高田派18世の圓遵(えんじゅん)上人の十字名号がありました。「一志郡 木造 蓮性寺」とありますので、本堂の余間に掛けられたものと思われます。この頃蓮性寺が創建されたようです。今本堂の余間の九字・十字名号の掛軸は、高田派23世堯祺上人のものでした。

【蓮性寺 本堂内陣】

昨年と同じような穏やかな報恩講で12月2日に妙華寺の報恩講をお勤めすることができました。組内の5ヶ寺のご法中様、お手伝いをしていただいています慈相寺様と妙華寺の衆徒でお勤めできました。昨年から新しいご縁をいただきました津市母子父子寡婦福祉会久居支部の皆様のご奉仕で、「こども食堂」も兼ねて、お非時もできました。前日からのご準備ありがとうございました。子供さんが喜ばれるフルーツポンチやマカロニサラダ、これまでのお非時にも提供していました里芋煮、柿なますも揃い皆で美味しくいただきました。

【妙華寺 非時】
ご法話は、2年ぶりに豊橋市正太(しょうたい)寺の大河戸悟道師にお越しいただき、私のいのちが阿弥陀如来が願われていることを親鸞聖人のご書物や聖徳太子の言葉を通してしっかり丁寧にお聞かせいただきました。私の「いのち」が当たり前にあるのでなく、有難いことであることを、お同行の皆様一人でも多くご聴聞いただければと思います。

【妙華寺 法話】

昨年は、ご法話の後、親鸞聖人像の内拝を試みました。今年は、高田派の本山が、栃木県真岡市から津市一身田に移ったことを紹介しました。

12月9日 今年27組最後の報恩講が野村の浄徳寺様です。穏やかな日から一転寒い日でした。最近は本堂も暖房設備が行き届いていて寒くても出仕が楽です。本堂に幼い副住職のご子息がいるだけで賑々しくなります。副住職が式文を拝読され、出仕する27組のメンバーも若い世代に移行していく気配です。

【浄徳寺 本堂内陣】

【番外】青巖寺様の報恩講
11月11日、小山の青巖寺様の報恩講のご法話を聴聞する時間をいただきました。私のお寺の地域の多くのお寺の報恩講は、組内の報恩講と重なりますので近くのお寺でありながら組が違うと伺うことがかないません。満堂の中、既にお勤めが始まっています。お勤めが終わるとご法話が始まります。布教使様は、葛野(かどの)洋明師(妙華寺の2019年の報恩講の時の布教使様)です。真宗の「ご信心」について、難しい「不疑」と「無疑」を分かりやすく笑いあり、時には涙ありでお示しされました。ご法話を聴聞させていただいても直ぐ忘れてしまう私(住職)ですが何回もお聞かせいただく時間はとても有難い時間です。ご法話が終わり青巖寺様のご厚意で、お非時もいただき、心もカラダ(お腹)もいっぱいの半日でした。

【青巖寺 本堂正面】