ひとくち法話

本尊(ほんぞん)
真宗のご本尊は「阿弥陀仏(あみだぶつ)」です。お仏壇の中央・正面に安置されている仏さまです。木像・絵像・名号(南無阿弥陀仏)とお姿の違いはありますが、すべてきまりによってあらわされた「阿弥陀仏」です。
この阿弥陀仏は、私たちを「無明煩悩(むみょうぼんのう)、われらがみにみちみちて、欲も多く、いかり、はらだち、そねみ、ねたむこころ、多くひまなくして、臨終の一念にいたるまで、とどまらず、きえず、たえず(一念多念文意)」の衆生とみぬかれて、仏さまの方から、お浄土へ迎えとる道をひらかれた仏さまです。
親鸞聖人は和讃で
十方微塵世界(じっぽうみじんせかい)の 念仏(ねんぶつ)の衆生(しゅじょう)をみそなわし
摂取(せっしゅ)してすてざれば 阿弥陀(あみだ)となづけたてまつる(浄土和讃弥陀経意第1首)
と、うたわれたました。「十方微塵世界」とは、全宇宙ということです。「衆生」とは生きとし生けるものです。すなわち、この世に生きるあらゆる念仏を申す私たちを仏さまはご覧になって、必ずお浄土に迎えますと誓われたので、「阿弥陀仏」と申し上げるのです。聖人はこのように教えてくださいました。つまり「阿弥陀仏」は、この約束で世に出られた仏さまです。
さらに、阿弥陀仏以外の仏さま(諸仏)は、この「阿弥陀仏」のお誓いがまちがいないことを証明するために出られたのだとのべられています。『観無量寿経(かんむりょうじゅきょう)』には「念仏衆生摂取不捨(ねんぶつしゅじょうせっしゅふしゃ)」と阿弥陀仏が念仏を称える人々を平等に救いとるご本尊のおこころをお示しくださっています。
「阿弥陀仏」は私たちが救われる唯一の仏さまなのです。
※「ひとくち法話」真宗高田派本山より

 

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