【報告】仏教教育研究センター公開講座
「ともに生きる」とは =自死の活動から= 中川 結幾
妙華寺の副住職がお話させていただきました。
大学院に入学し、京都自死・自殺相談センター(Sotto)でボランテイア活動を始め10年を迎えた活動を通して、「ともに生きる」ことを学ぶ機会でした。
私たちの社会では、自死・自殺で亡くなった場合、亡くなった方を「心が弱い」「甘え」であるなど非難のまなざしで語られがちです。(WHOの世界的な調査でも同様です)
自死・自殺について話すことは憚れることと捉えがちですが、フラットに話ができる場を提供できるように活動している。
仏教の視点も取り上げられて、経典では、生死の善し悪しは問題でないとほぼ断言できるそうです。また、法然聖人や親鸞聖人の言葉からも、死に方に「良い」「悪い」は含まれていませんと話されました。
自死・自殺を話題に取り上げることの難しさは、「死にゆく私の気持ち」をわかってもらおうとすることによる、「わかってもらえない孤独」を感じることではないかと。またそれぞれの「いのち」を評価しないで、寄り添うことを活動の中で感じるようです。
最後に、「ともに生きる」とは、苦しみを抱えた仲間として、ともに生きる。その人を変えることでも、正しい答えを与えることでなく、変わらないそのままに寄り添って、ともに立ち止まる。ことを自死の活動から学ばれたそうです。
久居から遠方の高田会館まで、お同行の方も受講していただきありがとうございました。
※中川個人の感想です。